南海橋本林間田園都市

Q.以前はまったく異なるお仕事をされていたと伺いました。
山本さん　はい。20代の頃はフリークライミングに打ち込み、インストラクターをしていました。当時、目標としていた大会がフランスで開催されることが多く、渡仏して一ヶ月くらい滞在してまた日本に帰る、そのくり返しでした。

Q.フランスでのご経験が、パンの道を志すきっかけになられた？
山本さん　いろんな街で暮らしてみて、どこにも必ず「地元のおいしいパン屋さん」があることに気づきました。この街ならここのパンといった具合に、現地の人さながらに食べ歩きました。職人の皆さんも「この街の旨いパンは俺が焼いてるんだ！」と誇らしげな様子で、輝いて見えたんです。一からの修業は大変なことも多かったですが、フランスでの「おいしいパンのある日常」が僕の原動力になりました。

Q.この場所で店を構えたきっかけは？
山本さん　妻の地元なんです。オープンして4年半、ここを選んでよかったなとしみじみ思います。息子の小学校の雰囲気もアットホームで先生との距離感も近く、横のつながりもある。地域全体で子育てができる街ですね。お客さんのお子さんの成長も、そばで見守らせてもらっている感じです。

Q.最後に、今後の夢をお聞かせください。
山本さん　僕の焼いたパンをゆっくり味わっていただける、カフェのような場所をつくりたいですね。バケットサンドなどを作ってフランスパンのおいしい食べ方、アレンジをお伝えできれば。パンを通じていろいろなことを発信しながら、この街全体を盛り上げていきたいです。